もくじ
地味だけど印象深い、国指定の天然記念物「久井の岩海」
広島県三原市にある「久井の岩海」という名所をご紹介します。
おそらく広島県の中でもマイナーな名所であることは間違いないかもしれません。
久井は三原市の地名ですので近辺の方ならお分かりかと思いますが「久井」は読めても「岩海」は何を指す言葉かわからず、私も「いわうみ?」と間違って読んでいました。
正しくは「くいのがんかい」と呼ぶそうです。
天然記念物に指定されたのは意外と昔のこと、岩海の名前の由来は?
そんなひっそりとたたずむ「久井の岩海」ですが、実は国指定の天然記念物、昭和39年に指定されていますので、古くからの名所であったことは間違いないようです。
現地にあった案内板を要約しますと「緩やかな山の斜面に沿って、直径1メートルから7メートルのさまざまの形をした岩が重なり合って長く帯状に続いている見事な景観」とのことです。
岩がまるで海のように続いているさまを「岩海」と呼んでいるんですね。
岩はいくつかの山の谷に沿うようにして続いているのですが、それぞれに「ごうろ」という名前が付けられています。
比較的大きな岩がみられる「大ごうろ」、谷の真ん中付近にある「中ごうろ」、長さ550メートルにも及ぶ「ぜにがめごうろ」などです。
紅葉の美しい季節の中、岩海を散策します
では岩海の散策、開始してみようと思います。
ビューポイントまでは、このような山道が続きます、足元は決して良くはないので、歩きやすい恰好が適しているかと思います。
周囲には四季折々の木々が観察できるということです。
訪問時はちょうど紅葉の季節、ところどころ紅葉したモミジなどが見れました。
歩いて4分程度で詳しい地図が示された看板を発見。
一応位置関係を把握します。
せっかくなので、おおごうろから左回りでぜにがめごうろにたどり着くルートで見学することとしました。
するとすぐに視界に飛び込んできたのは・・・550メートルもの長さに及ぶという「ぜにがめごうろ」です。
これだけの巨石がずっと上のほうから広がる光景はなかなか壮観でした。
別角度から・・岩で埋め尽くされています。
どうやってできた?岩海の成り立ちをイラストで確認しよう
そばには立派なあずまやが建っており、中に解説版があるので、見てみると良いでしょう、岩海の成り立ちがイラストで説明されています。
2007年には「日本の地質百選」にも選定されているようです。
そういえば、山口県の須佐ホルンフェルスや島根県の「三瓶埋没林」も「日本の地質百選」に選定されていました。
広島で選定されているのはここだけのようです。
調べてみると、こちらも地質百選に選定されていました。
地質百選は山陰側に集中している傾向があるみたいです。
不思議な自然現象が観察できる「水音峡」とは一体?
案内板を見ていて気になったのが「水音峡」というポイント、どうやらぜにがめごうろからおおごうろへ向かう途中にあるようです。
この辺りが「水音峡」です。
最初は「水の音」という意味が分からなかったのですが、静かに耳をすませばその名前の意味が分かりました。
どうやら岩の下の見えない部分が川になっており、水が流れているということらしいです。
水音とは、その流れる水が岩々で共鳴してなっている音だったんですね。
確かに、これは珍しい現象だと思いました。
さて、水音峡からさらに奥に入ったところが「おおごうろ」です。
おおごうろは、開けた感じはなく、周囲を木々に囲まれ、大きな岩がゴロゴロしている感じでした。
なんだかちょっぴり秘境感が漂います。
ここから少し後戻りして、岩の滝という看板にならい進んでみます。
やっぱり一番の景観ポイントは「ぜにがめごうろ」
すると、一番初めの「ぜにがめごうろ」の上部付近へとつながっています。
最初は下から見上げましたが、今度は見下ろす感じですね。
見渡す限りの岩!
戻ってきたところでちょうど陽が陰ってきましたので、引き上げることとしました。
ところで、この近くには「宇根山天文台」や「宇根山家族旅行村」などキャンプ場や夏休みに利用できそうな施設があるようです。
一緒に行くのもありかなと思いましたが・・
ただまあ、結構な山道なうえ夏は草が生い茂っていると思うので、こちらは春や秋の訪問が適しているかもしてませんね、念のため。
それから駐車場ですが、入口向かいに、きれいに整備されていて20台ほどは駐車できそうな場所が確保されていますので、その部分は心配無用と思います。
観光地というほどでもないので、満車になるようなことは多分ないです。
以上、広島県唯一の「日本地質百選」選定、国指定天然近物の「久井の岩海」のご紹介でした。