このしだれ桜は広島県内でも屈指のもので、高さが約12メートル、横幅約9メートルという見事な枝ぶりを持っています。
4月上旬から中旬ころ満開となりますが、しだれ桜の木は、周囲を田んぼに囲まれた小高い丘の上にあるため、下から見上げたその姿は大変迫力があります。樹齢は約70年と言われ、皇紀2600年の記念樹として植えられたと伝えられています。
与一野という呼び名は、源平合戦で有名な「那須与一」からきており、那須与一が鎌倉幕府から西国(西日本)に送られ、晩年この地で田畑の開墾をすすめたという言い伝えに由来します。
気になる見ごろ時期の現地の様子や駐車場は?
与一野のしだれ桜のある「寺領」という集落は安芸太田町の中心地である戸河内から一つ山側に入った付近にあります。
中国自動車道の戸河内インターからはおよそ15分くらいの距離です。
山間部のため交通手段はほぼ車に限られます、車は桜のビューポイントから多少離れた場所に置くよう誘導され、そこから徒歩5分程度、桜の咲く丘まで若干の坂道を登ってたどり着きました。
訪れる皆さんは、写真撮影やしだれ桜の鑑賞の方がほとんどですので、一般的なお花見のように見物客でごった返したり、車が渋滞するような雰囲気はありませんでした。
与一野のしだれ桜、いろんな角度から鑑賞してみよう
このしだれ桜はビューポイントがふたつあります。
ひとつ目は、先ほどの坂道を登っていくとやがて民家が見えてきます、民家のそばには小道があり、そこから桜の木の下へたどり着くことができます。ここからは、小高い丘の上に咲くしだれ桜を見上げるように鑑賞することができます。
遠くからの眺めもなかなか、水田の水面が名脇役
そして民家からさらに坂道を上った場所がふたつ目のビューポイントで、田んぼの畔から遠景を楽しむことができます。
立派な一本桜を遠巻きに、田んぼや周囲の風景も併せてみるのもなかなか良いです。
黄色く咲く菜の花や田んぼの水面に映る風景も大変美しかったです。
地元の方の手作り感のおもてなしがよかった
平成29年の4月には最盛期の土曜日の夜にライトアップが行われ、6日間にわたり、おむすび弁当や地域の特産品の販売などもありました。
注意点としては、桜の木のある場所や、そこに至る通路などは私有地とのことで、見学には十分な配慮が必要です。
毎年、安芸太田町のホームページで開花情報やライトアップの情報などが掲載されるはずですので、お出かけの際はあわせてご覧になるとよいと思います。気候により満開の時期は前後することも多いですが、タイミングが良ければ青空をバックに、見事なしだれ桜が楽しめるはずです。
以上、与一野のしだれ桜のご紹介でした。