笠山は、山口県の日本海側に広がる「北長門海岸国定公園」に指定されており、標高わずか112メートルの山頂に小さな噴火口を持つ活火山です。
笠山を取り巻く周囲一帯は、萩市内でも有名な観光名所となっており、山頂からは噴火口を見学できるほか、併設されている展望台からは、小さな島々が海に浮かぶ美しい景色を楽しむことができます。
さらに笠山周辺には、火山特有の地形が残した不思議なスポットもいくつかあります。
溶岩と海水の流れの作用で出来上がった「明神池」は現在でも海水が出入りしており、約20種類の海水魚が生息しています。明神池の奥には、多孔質の溶岩が作り出した天然のクーラーともいわれる「風穴」などがあり、萩市の観光地の一つとして親しまれています。
いくつかある見学スポットをおさえておこう
笠山の観光で押さえたいポイントは、ふもとにある「明神池」と「風穴」それから、山頂から見学できる噴火口と、展望台です。
冬季から春先にかけてはツバキの群生林も外せません。
わずか標高112メートルの山ですが、全てのスポットを歩いて移動するのは少し距離がありますので、車で移動するのがよいでしょう。
写真は明神池の様子です。明神池は、かつて、笠山が砂の堆積によって陸続きになった時に埋め残されてできた池で、今なお、地下から海水が出入りしているという珍しい海水の池です。中には、マダイやイシダイ、ボラなどの近海の魚が泳いでいます。
まさに天然のクーラー「風穴」
明神池の奥には、風穴という真夏でも13℃くらいの冷たい空気が流れている不思議な場所があります。
多孔質の溶岩石が水を含み、それが蒸発するときに周囲の熱を奪って冷たい空気が出てくるという仕組みらしいですが、夏場には本当にエアコンの風のような冷たい空気が噴き出ています。
こちらは笠山の山頂、噴火口の様子です。火口は、螺旋状の階段を下っていったところにあり、直径、深さ30メートルの大きさがあるといいます。
現在は周囲をうっそうと茂る緑で覆われ、一見してここが噴火口であるということはわかりにくいかもしれません。
とは言え、この辺の不思議な地形がこの火山によって造られたと思うと、凄さを感じました。ちなみに笠山が噴火したのは約一万年前の出来事だそうです。
展望台から広がるパノラマを楽しもう
笠山の頂上には展望台も設置されています。ここは写真撮影をされる方にもおススメの場所で、天気のいい日には、萩市内や、日本海に浮かぶ島々がきれいに見渡せます。
時期が合えばここは絶対にオススメ・笠山椿群生林
最後にご紹介するのが「笠山椿群生林」です。約10ヘクタールという広大な場所に約2万5千本のツバキが自生しています。
花を楽しめるのは12月上旬から3月下旬までと比較的長く楽しめ、最盛期は2月中旬から3月下旬ころとなります。
自生しているツバキは枝が絡まるようにまっすぐと伸び、見上げると森のトンネルのように木々が広がっています。
ツバキがここまで群生しているのはなかなか珍しく、その光景はきっと非日常的に感じられるはずです。
毎年最盛期には「萩・椿祭り」も開催されていて、他県からも多くの観光客がありにぎわっています。