絶滅危惧種といわれる貴重な花を見に行く
イズモコバイモとはユリ科に属する多年生植物です。
環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種に指定されている希少植物で、島根県の川本町にはその群生地があります。
群生地は川本町の中心部から県道187号線を北上した「谷戸」という集落付近にあります。
希少植物なだけに静かな場所にひっそりと咲いているのかと思っていましたが、意外にも群生地は県道沿いの山の斜面にあります。
また、開花期には「イズモコバイモまつり」が開催されるようで、PRの幟がたっているほか、県道沿いにカラーコーンが設置され見学スペースも設けられていました。
看板にある通り、群生地の草刈りや清掃など、地元の方の保全活動により、イズモコバイモが守られています。
山肌に小さく咲きそろう花はなかなか珍しい光景
斜面一面に咲くイズモコバイモ、一本の茎が伸びた先に地味ながらも小さい可憐な花を咲かせる、それらが寄り集まって不思議な光景を見せてくれます。
よく観察すると葉っぱの色や模様で違いがあるようです。
こちらはグリーン一色だったり・・・
これは薄い緑の中に濃い緑が入る斑状の葉っぱです。
開花時期はいつ?
気になるイズモコバイモの開花時期ですが、例年3月上旬から4月上旬、開花後は結実し、やがて枯れてしまうとのことです。
今回の訪問は3月17日で、3月の20日ころが満開という状況でしたので天候にやはり左右されるようですね。
開花状況は2018年現在、川本町のFacebookで公開されていますので、見学に行かれる際はあわせて確認いただくと良いかと思います。
同じ時期開花する「ユキワリイチゲ」の見学もおススメ
それからもうひとつ、絶滅危惧種ではないのですが、川本町には「ユキワリイチゲ」の自生地もあり、イズモコバイモと同じように保全活動が行われているということです。
自生地は川本町の中心街から南側に位置するので車での移動となります。
このユキワリイチゲはひと癖あり、日中の日の当たる時間帯しか花を開かないという性質があります。自生地自体が木々の陰になっているような場所ですので、陽の当たるという条件がなかなか難しいのです。
自生地の全体像はこんな感じ、ほとんどが日陰にあり、つぼみ状態です。
一番よく開花していたのが割と陽が当たっている赤丸部分、この状態で全体的に咲いていると壮観でしょうが、それが見られるのは相当ラッキーなのかもしれません。
地元の方によると2時過ぎころがおススメだと教わりました。
簡単には開花が見られないという点では、ユキワリイチゲも個人的には希少植物だと感じました。