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ミツマタの群生地春先に黄色い花を付ける珍しい低木「ミツマタ」-広島県安芸高田市の群生地を訪ねる-

ミツマタの群生地

安芸高田市にある「虫居谷のミツマタ」に行ってみました。

ミツマタとは、かつて和紙の原料として全国的に栽培されてきた作物です。

時代の移り変わりとともにミツマタの紙の原料としての役目も終えることとなり、自然に放置されたものがどんどん広がっていって群落を作るようになりました。

安芸高田市のミツマタの群落に50年ほど前に紙産業の原料として栽培していたものの名残で、広島でも最大規模のもの。

春先にきれいな黄色の花を咲かせると周囲に幻想的な光景が広がります。

ミツマタの見ごろ

公式の情報では3月下旬~4月初旬です。今回は3月27日に訪問しましたが、地元の方によると、少し黄色が褪せたようになっているとのこと。

おそらくは3月下旬初めが見頃でないかと思います。

ミツマタ群生地の場所とアクセス

ミツマタ群生地へのアクセスをご案内します。

広島市内からは、JR芸備線に並走する県道37号線を北上し、安芸高田市の向井原駅付近に出ます。

向原駅すぐにある「向原駅東交差点」から県道29号線を西に約5km向かった場所になります。

群生地に向かうにつれ道路も田んぼの広がり写真のような風景となります。

住所広島県安芸高田市向原町坂寺山(虫居谷)

地図でもご確認ください。

県道からは目立たない山道へ入りますので、うっかり通り過ぎないように注意が必要です。

入口は写真のような場所です、緩やかな右カーブでさらにわかりにくいのですが、ココを山側に入ります。

ちなみに、今回の訪問時は「みつまた」という赤地に黒の幟が出ていたのでそれが目印になりました。

ミツマタの群生地の駐車場

県道から群生地までは約400メートルほどです。群生地付近にも駐車スペースはありますが、写真の通り、離合などが困難な道幅です。

訪問日は水曜日のお昼頃です。平日ですがたくさんの方が見えられているようで、他県ナンバーの方もいらっしゃってました。

ミツマタの群生地の駐車状況

そこで、確実なのは県道から入ってすぐの広くなっている部分に車を止め歩く方法です。

県道入ってすぐのこの空き地はミツマタの駐車場ではありませんので、このまま細い道を進んでいきましょう。

ミツマタ群生地の下の駐車スペース

群生地に向かう途中の景色

右手に小川を見ながら細い山道を進みます。

途中山桜がキレイに咲いているのを発見。

ミツマタ群生地に至る山道

ミツマタ群生地に至る山道に咲く桜

ミツマタの群生地に到着

谷全体が黄色い花に包まれているようで、実際に目にすると壮観です。

ここまで広範囲に群生があるとは思っていませんでした。

ミツマタ群生地の様子

黄色の花が谷のずっと向こうまで続いています。

ミツマタ群生地に流れる小川

川には上流側と下流側に2本橋が架かっており、向こう側に回ることができます。
橋から先にはミツマタの群生の中を歩けるよう小道が整備されています。

整備されているといっても、石ころがたくさん転がっている道なので歩きやすい靴で行かれるのがいいと思われます。

小径をずっと進むともう一方の橋に戻ってくることができます。

ミツマタ群生地に架かる橋

しずかな森の中に広がるミツマタは黄金色に輝きなんとも幻想的でした。

幻想的に光るミツマタ

そんな幻想的な森に、川のせせらぎと鳥の鳴く声が重なり、非日常的な時間が流れます。

ミツマタと小川

そう、ミツマタの花って慣れてくるとわからなくなるほどの淡いにおいなのですが、甘い香りに感じました。

ところで、ミツマタの名前の由来ってご存知ですか?枝先をよく見てみると・・・

三つに分かれているのがわかります。そうです、枝が三つに分かれているので「ミツマタ」と名付けられたということです。

ミツマタ何本かアップ

現在、ミツマタの花は和紙としての利用はほとんどされなくなったといいますが、実は紙幣の材料の一つに用いられているそうです。これは少し意外でした。

ミツマタ一輪アップ

ここ向原はかつて、紙すきなどの和紙の生産も盛んだったといいます。

ミツマタバックに群生したミツマタ

直立する杉木立の間をミツマタの花があふれるように咲く!

杉木立とミツマタ

ミツマタ群生地全体

虫居谷のミツマタは、地元の地域振興会の方の手入れにより維持されているそうです。

まだ春先の木々も芽吹く前のひっそりとした場所だったのですが、それとは裏腹に幻想的に広がるミツマタの花は大変すばらしかったです!

この美しい景観、いつまでも見たいものです。

虫居谷のミツマタ

ミツマタ(三椏・ジンチョウゲ科)はコウゾ(楮)ガンビ(雁皮)と並んで和紙原料として日本全国で利用されてきました。

特にミツマタは、名前の起源となった三つに分かれた枝先に、春の訪れとともに黄色い花を付けることで多くの人に愛されてます。

(毎年分けれる枝の段数で樹齢がわかります)

ミツマタの現残地は中国南部といわれ、日本では江戸時代に良質の和紙の原料として各地で栽培されるようになりました。

現代でも紙幣にはミツマタが使われています。

外皮の繊維は強靭で素手で枝を折りとることは出来ません。

虫居谷(むしいだに)のミツマタ群落も戦後間もない頃に和紙の原料として植栽されました

(向原は昔からコウゾの出荷や紙漉きなど和紙産業も盛んでした)。

しかし時代の移り変わりとともに産業としての利用がなくなり、放置されたものが谷いっぱいに拡がりました。

早春に咲く明るい黄色の花の群落の景観を大切にしたいと、地元で整備を行っています。

二つの橋は遊歩道でつながっています。足下に気を付けて利用してください。

坂上地域振興会

-現地の案内看板より-

向原のカタクリ

それから向原にはもう一つ「カタクリの群落」というのがあり、そちらも見に行ってみました。

向原のカタクリ群落看板

カタクリは地下茎のでんぷんを用い片栗粉の原料となるんだそうです。

この斜面400メートルにわたりカタクリが自生するということなのですが・・・

ちょっと時期は早めでした。

しかしよく見ると、ちらほら咲いている様子が観察できました。思ったより大きな葉に薄紫のきれいな花をつけるようです。

少しだけ咲いていたカタクリの花

案内の看板によると「カタクリは桜と同時期に咲く」らしく、ミツマタの時期よりかは少し先に見頃を迎えるようです。

2020年3月中旬再訪

この年もミツマタは以前と衰えることなく生い茂っていました。

橋向こうの散策路はキチンと刈込がしてあったばかりか、下流のほうの橋を入って左側には、記念撮影スポットらしき場所も作られていました。

たぶんそこに立って道路側から写真を撮ると、ミツマタに囲まれているような写真が撮れるはず。

さらに、ミツマタがトンネルのようになっている部分もあり、楽しい散策路になっていました。

これは上流側の橋。

木製の橋です、ゆっくりと渡りましょう。

今年も相変わらず、幻想的な虫居谷のミツマタ群生地でした。

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